サマリモードで w を押す等することにより新規ドラフトバッファが用意 されます。このバッファでメール、ニュース記事の(新規)編集、送信を行います。
基本は Emacs 標準のメールモードです。
初期状態では `To:' にカーソルがあります。送信相手のアドレスを入力し てください。TAB で補完します。
ニュース記事として出したい場合は、`Newsgroups:' フィールドを自分で 書き加えてください。フィールド名は TAB で補完します。
編集中のドラフトをセーブすると、wl-draft-folder
に設定されたドラ
フトフォルダに追加されます。
`FCC:' フィールドで送信したメッセージのコピーを保存しておくフォルダ を指定することができます。
マルチパートの編集は SEMI の MIME 編集モードを利用しています。 編集の方法は各パッケージ付属のドキュメントを参照してください。 See section `MIME-Edit' in a MIME user interface for GNU Emacs. また、ドラフトバッファにおいて、C-c C-x ? でヘルプが参照できます。
wl-draft-config-alist
を設定することで、ヘッダやその他の情報によ
り、自動的に他のヘッダや本文を変更することができます。
変数 wl-draft-config-alist
について説明します。この変数の初期設定
は nil
です。
例えば以下のように設定すると、wl-draft-send-and-exit
や
wl-draft-send
を実行した時にヘッダが変更されます。
wl-interactive-send
を non-nil に設定しておくと、送信前に変更点が
確認できるので安心です。
(setq wl-draft-config-alist '(((string-match "aaa\\.example\\.com$" (system-name)) ;; 式がnon-nilなら適用する (wl-smtp-posting-server . "mailserver-B") (wl-nntp-posting-server . "newsserver-B") ;; 一時的な変数の設定 ) ("^To: .*user@aaa\\.bbb\\.example\\.com" ;; ドラフトバッファのヘッダにマッチすれば適用する ("Organization" . (format "Go %s" my-webpage))) ;; elisp 式が書ける (eval しているだけ) (top . " ○○です。\n") ;; 本文先頭へ文字列を挿入します (bottom . "\n以上です。\n") ;; 本文末尾へ文字列を挿入します ))
wl-draft-config-alist
は次の形式になっています。
'((ヘッダの正規表現 または elisp式 ("Field" . 値(elisp式)) (variable . 値(elisp式)) (サブ関数 . 値(elisp式)) 関数 ...) (ヘッダの正規表現 または elisp式 ("Field" . 値(elisp式)) ...))
[サブ関数]には、デフォルトで以下の10個が用意されています。
'header: ヘッダの末尾に指定した文字列を挿入します。
'header-top: ヘッダの先頭に指定した文字列を挿入します。
'header-file: ヘッダの末尾に指定したファイルを挿入します。
'x-face: 指定したファイルの内容を持つ `X-Face:' フィールドを
挿入します。
'top: 本文の先頭に指定した文字列を挿入します。
'top-file: 本文の先頭に指定したファイルを挿入します。
'body: 本文を指定した文字列に置き換えます。
nil
を指定すると本文の文字列を削除します。
'body-file: 本文を指定したファイルの内容で置き換えます。
'bottom: 本文の末尾に指定した文字列を挿入します。
'bottom-file: 本文の末尾に指定したファイルを挿入します。
'part-top: 現在のマルチパートの先頭に指定した文字列を挿入します。
'part-bottom: 現在のマルチパートの末尾に指定した文字列を挿入します。
'template: 指定したテンプレートを適用します。
(次項 テンプレートの挿入参照)
また、これらは wl-draft-config-sub-func-alist
に定義されており、
変更したり自分で作った関数を追加することができます。関数の書き方はここで
説明するより直接コードを見た方が分かりやすいでしょうから省略します。
各要素の1番目には ヘッダの正規表現 か elisp 式 を指定します。elisp 式の場合は評価した値が non-nil の場合に適用されます。
また、デフォルトでは複数の要素がマッチまたは non-nil になった場合に、その
全てが適用されますが、変数 wl-draft-config-matchone
をt
に
することで最初にマッチした1つだけを適用することもできます。
要素の2番目には cons か関数の list を指定します。cons にはヘッダの Field か変数、サブ関数を指定し、Field を指定した場合はその Field を変更、変数 を指定した場合は一時的にその変数値を変更します。
値には文字列や変数の他、elisp式がそのまま記述でき、もし、Field の値が
nil
ならばその Field を削除します。
親フォルダの名前を利用したい場合には、バッファローカル変数
wl-draft-parent-folder
が利用できます。
つづいて、次の例を見て下さい。
(setq wl-draft-config-alist '((reply ;; (1) "X-ML-Name: \\(Wanderlust\\|emacs-mime-ja\\|apel-ja\\)" ;; 返信元バッファのヘッダにマッチすれば適用する (body . " こんにちは\n") (template . "default") )))
この例 (1)のように、ヘッダの正規表現の前に reply
をつけると
wl-summary-reply
などでドラフトを作成した場合、返信元のヘッダにマッ
チすれば適用されるようになります。ただし、wl-draft
を実行したとき
など返信元のバッファがない場合は無視されます。
何も特別な設定をしなければ、wl-draft-config-alist
は、
wl-draft-send-and-exit
か wl-draft-send
が実行される直前に
一度だけ適用されます。送信を取りやめた後に再度
wl-draft-config-alist
を適用したい場合は、C-c C-e
(wl-draft-config-exec
) を実行してください。
wl-draft-send-and-exit
、wl-draft-send
の実行時に自動的に
wl-draft-config-alist
を適用したくない場合は、次のように設定して
下さい。
(remove-hook 'wl-draft-send-hook 'wl-draft-config-exec)
ドラフトバッファの作成時に自動的に
wl-draft-config-alist
を適用したい場合は、次のように設定します。
(add-hook 'wl-mail-setup-hook 'wl-draft-config-exec)
サマリモードから 'E'(wl-summary-reedit
)を押してメールを
編集する時にも自動的に wl-draft-config-alist
を適用したい場合は、
次のように設定します。
(add-hook 'wl-draft-reedit-hook 'wl-draft-config-exec)
変数 wl-template-alist
を設定し、ドラフトバッファでC-c C-j
もしくは M-x wl-template-selectと入力することで適用します。
wl-template-alist
の書式は wl-draft-config-alist
とほぼ同
じです。
(setq wl-template-alist '(("default" ("From" . wl-from) ("Organization" . "~/.wl sample") (body . " ○○です。\n")) ("report" (template . "default") ;; (a) ("To" . "jousi@example.com") ("Subject" . "報告") (body-file . "~/work/report.txt") ) ))
このようにヘッダの正規表現の代わりに `default' や `report' の
ように各要素の名前(テンプレート名)をつけるだけです。各要素の定義は
wl-draft-config-alist
と同じであるので、(a)のように別のテンプレー
トを呼ぶことも可能です。
コマンド wl-template-select
を実行すると、テンプレートの選択を行
いますが、変数wl-template-visible-select
により動作が異なります。
wl-template-visible-select
が t
(デフォルト)の場合、ドラフ
トバッファの下に適用後のバッファウィンドウが表示されるので、それを見なが
ら n と p で選択します。そしてリターンキーで決定すると実際に
ドラフトバッファに適用されます。q を押した場合なにも適用されません。
なお、wl-template-buffer-lines
でウィンドウの大きさが変更できます。
wl-template-visible-select
が nil
の場合、ミニバッファでテ
ンプレート名を入力することで選択します。
また、wl-draft-config-alist
の例のように例えば
(template . "default")
と書くことで `default' のテンプレートを適用することができます。
POP-before-SMTP によるメールの送信ができます。 設定は、
(setq wl-draft-send-mail-function 'wl-draft-send-mail-with-pop-before-smtp)
の1行のみですが、必要に応じて以下の変数を設定してください。
wl-pop-before-smtp-user
elmo-pop3-default-user
が使われます。
wl-pop-before-smtp-server
elmo-pop3-default-server
が使われます。
wl-pop-before-smtp-authenticate-type
elmo-pop3-default-authenticate-type
が使われます。
wl-pop-before-smtp-port
elmo-pop3-default-port
が使われます。
wl-pop-before-smtp-stream-type
starttls
なら STARTTLS (RFC2595)を利用してコネクションが張られます。設定されていな
い場合は elmo-pop3-default-stream-type
が使われます。
POP-before-SMTP 用の変数 (wl-pop-before-smtp-*
)が設定されていない
場合は、POP フォルダの設定 (elmo-pop3-default-*
) が用いられます。
そのため、SMTP サーバと POP サーバの実体が同じで、デフォルト設定の POP フォル
ダ(`&' など)が利用可能なら、設定は不要です。
なお、POP-before-SMTP については以下を参照してください。
http://spam.ayamura.org/tools/smPbS.html http://www.iecc.com/pop-before-smtp.html
wl-draft-yank-original
)
wl-draft-preview-message
)
wl-draft-send
)
wl-draft-send-and-exit
)
wl-draft-save
)
wl-draft-kill
)
wl-draft-mimic-kill-buffer
)
wl-summary-reedit
を押せば、
編集を再開できます。
(wl-draft-save-and-exit
)
wl-caesar-region
)
wl-draft-highlight-and-recenter
)
wl-toggle-plugged
)
wl-jump-to-draft-buffer
)
wl-draft-config-alist
を適用します。
(wl-draft-config-exec
)
wl-template-select
)
wl-addrmgr
)
wl-draft-elide-region
)。文章
は切られて (killed) 変数 wl-draft-elide-ellipsis
の値で置き換えら
れます。デフォルトの省略符号として使われる値は (`[...]') です。
wl-subscribed-mailing-list
nil
。参加しているメーリングリストのリスト。返事のドラ
フトを用意するときに `Mail-Followup-To:' や `Cc:' にこれらが含
まれるときは自分のアドレスを除きます。また、リファイル先を覚えるときにこ
れらが `To:' か `Cc:' に含まれるときには、そのアドレスでリファ
イル先を覚えます。
設定例:
(setq wl-subscribed-mailing-list '("wl@lists.airs.net" "apel-ja@m17n.org" "emacs-mime-ja@m17n.org"))
wl-insert-mail-followup-to
nil
。Non-nil なら、`Mail-Followup-To:' フィールド
をドラフトバッファに自動的に挿入します。
wl-insert-mail-reply-to
nil
。Non-nil なら、`Mail-Reply-To:' フィールドを
ドラフトバッファに自動的に挿入します。
wl-auto-insert-x-face
t
。Non-nil でかつ、エンコードされた X-Face 文字列を
`~/.xface' (変数 wl-x-face-file
の値)の内容に用意しておくと、
ドラフトが準備されるときに自動的に `X-Face:' フィールドとして挿入さ
れます。nil
の場合は自動的には挿入されません。
wl-insert-message-id
t
。
Non-nil なら、送信時に `Message-ID:' フィールドを自動的に挿入します。
wl-local-domain
nil
。nil
ならば `Message-ID:' のドメインパー
トは関数 system-name
の返値が設定されます。
system-name
が FQDN (`smtp.gohome.org' のようなホストのフル
ネーム) を返さない場合は、この変数に 必ず ホスト名を除いたドメ
イン名 (`gohome.org'など) を設定してください。 もし、グローバルな IP
アドレスを持たない場合は、wl-message-id-domain
を設定してください。
(`Message-ID:' のドメインがおかしいと、ネットニュースでふくろ叩きに
あってしまう可能性があります。)
また、この値が設定されている場合、system-name
にこの値を付加した
ホスト名が SMTP の HELO の引数として利用されます。
wl-message-id-domain
nil
。Non-nil なら、`Message-ID:' のドメインパート
に使用されます。グローバルな IP アドレスを持たない場合など、ドメインパー
トを決められない場合は、wl-message-id-domain
に一意な文字列(例え
ば、メールアドレスなど)を設定してください。
wl-draft-config-alist
nil
。
送信直前にドラフトメッセージを変更します。自動的に
wl-draft-config-alist
の内容が適用されるのは送信時に一度だけです。
もし,手動で適用する場合は,C-c C-e (wl-draft-config-exec
)
を使用してください。このコマンドは何度でも適用できます。
wl-template-alist
nil
。
ドラフトバッファで適用するテンプレートを設定します。
wl-draft-config-matchone
nil
。Non-nil なら wl-draft-config-alist
の適用
時に最初にマッチした要素のみを適用します。nil
ならマッチしたもの
すべてを適用します。
wl-template-visible-select
t
。
Non-nil なら別ウィンドウに適用後の状態を表示しながらテンプレートを選択します。
wl-template-confirm
nil
。
Non-nil ならウィンドウを表示しながらテンプレートを選択する場合、リターン
キーで選択する時に確認を行います。
wl-template-buffer-lines
wl-template-visible-select
が non-nil の場合、
適用後の状態を表示するウィンドウの大きさを指定します。
wl-draft-reply-buffer-style
split
。
split
と full
が指定できます。
full
なら返事を書くときにフレーム全体を使ったドラフトバッファが
用意されます。
wl-draft-use-frame
nil
。
Non-nil ならドラフト用に新しいフレームを開きます。
wl-draft-truncate-lines
default-truncate-lines
の値が使われます。
Non-nil ならドラフトバッファで長い行の折り返しをしません。
wl-from
user-mail-address
の値。
設定された値をドラフトの `From:' フィールドとして最初から挿入します。
wl-envelope-from
nil
。
設定された値を envelope from (MAIL FROM) に使用します。
nil
なら wl-from
のアドレス部分を使用します。
wl-user-mail-address-list
nil
。
ユーザのアドレスリストです。
アドレスを複数持っている場合は設定してください。
wl-fcc
nil
。
Non-nil なら、設定された値をドラフトの `Fcc:' として最初から挿入します。
関数が指定されている場合、関数の返り値(string) が挿入されます。
wl-bcc
nil
。
Non-nil なら、設定された値をドラフトの `Bcc:' として最初から挿入します。
wl-reply-subject-prefix
wl-draft-reply-use-address-with-full-name
t
。
Non-nil なら返信アドレスの `To:', `Cc:' フィールドに相手のフル
ネームを挿入します。nil
ならアドレスだけを挿入します。
wl-draft-enable-queuing
t
。
オフライン送信するかどうかを示すフラグです。Non-nil ならオフライン送信します。
wl-draft-use-cache
nil
。送信するメッセージをキャッシュするかどうかを示すフ
ラグです。Non-nil ならキャッシュします。ただし wl-insert-message-id
が
nil の場合はキャッシュされません。
wl-fcc-force-as-read
nil
。Non-nil なら `Fcc:' で保存したメッセージを
既読にします(保存先が IMAP folder の場合のみ)。
wl-auto-flush-queue
t
。
オンラインになったときに自動的にキューを送信するかどうかを示すフラグです。
Non-nil なら自動的に送信します (一応 y-or-n-p
で確認します)。
手動でキューを送信するには、フォルダモードで F を押してください。
wl-ignored-forwarded-headers
wl-ignored-resent-headers
wl-draft-always-delete-myself
wl-draft-delete-myself-from-bcc-fcc
wl-subscribed-mailing-list
に
含まれている場合、`Bcc:' , `FCC:' をつけません.
wl-smtp-posting-server
nil
。
メール送信時の SMTP サーバ名です。
wl-smtp-posting-user
nil
。
SMTP AUTH による認証を行なうときのユーザ名です。
nil
なら smtp-authenticate-user
を使います。
wl-smtp-authenticate-type
nil
。
SMTP AUTH による認証を行なうときの認証方式です。
nil
のままなら smtp-authenticate-type
を利用します。
smtp-authenticate-type
も nil
なら認証を行いません。
wl-smtp-connection-type
nil
。
SMTP のコネクションをどのように張るかを指定します。
nil
なら smtp-connection-type
を利用します。
starttls
なら STARTTLS (RFC2595)を利用してコネクションが張られます。
wl-nntp-posting-server
nil
。
ニュース投稿時の NNTP サーバ名です。
nil
なら elmo-nntp-default-server
を使います。
wl-nntp-posting-user
nil
。
ニュース投稿時に AUTHINFO による認証を行なうときのユーザ名です。
nil
なら elmo-nntp-default-user
を使います。
それでも nil
なら AUTHINFO による認証を行ないません。
wl-nntp-posting-port
nil
。
ニュース投稿時の NNTP サーバのポート番号。
nil
なら elmo-nntp-default-server
を使います。
wl-nntp-posting-stream-type
nil
。
nil
なら elmo-nntp-default-stream-type
を評価します。
Non-nil ならニュース投稿時に SSL を利用します。
starttls
なら STARTTLS (RFC2595)を利用してコネクションが張られます。
wl-pop-before-smtp-user
nil
。
POP-before-SMTP で POP を行なうときのユーザ名です。
nil
のままなら elmo-pop3-default-user
を利用します。
wl-pop-before-smtp-server
nil
。
POP-before-SMTP で POP を行なうときのサーバ名です。
nil
のままなら elmo-pop3-default-server
を利用します。
wl-pop-before-smtp-authenticate-type
nil
。
POP-before-SMTP で POP を行なうときの認証方式です。
nil
のままなら elmo-pop3-default-authenticate
を利用します。
wl-pop-before-smtp-port
nil
。
POP-before-SMTP で POP を行なうときのポート番号です。
nil
のままなら elmo-pop3-default-port
を利用します。
wl-pop-before-smtp-stream-type
nil
。
POP-before-SMTP で SSL を利用するかどうかを示すフラグです。nil
の
ままなら elmo-pop3-default-stream-type
を利用します。
starttls
なら STARTTLS (RFC2595)を利用してコネクションが張られます。
wl-draft-queue-save-variables
wl-draft-sendlog
t
。
t
なら `~/.elmo/sendlog' に送信ログを出力します。
ログを出力するタイミングは以下の通りです(失敗の場合も)。
wl-draft-sendlog-max-size
wl-draft-sendlog
が t
の場合、保存したログの大きさが指定し
た大きさ以上になれば、ログをローテーションします。
wl-use-ldap
nil
。
Non-nil なら LDAP を利用してアドレス補完します。
wl-ldap-server
wl-ldap-port
nil
.
アドレス補完に用いる LDAP サーバのポート番号です。
wl-ldap-base
wl-draft-remove-group-list-contents
t
。
Non-nil ならメール送信の際に宛先から group-list の内容を削除します
(group-list とは宛先に含まれる `Group: foo@gohome.org,
bar@gohome.org;'のような記述を指します)。
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